イグナイトモジュール
#6
破損したシンフォギアシステムの修復と改造に伴い、
追加搭載された決戦ブースター。
融合症例という稀有な観測対象でのみ確認されていた
「暴走」のメカニズムを解析・応用したものである。
これによりシンフォギアの出力を瞬間的に高めることを実現するばかりか、
最大の特徴である「暴走の制御機能」により、
暴走体の意識、とりわけ理性を保護・維持することにも成功している。
結果、暴走時と同等の出力でありながら、
その運用に戦闘技術や状況判断といった付加価値を上乗せできるため、
単純な数値以上に、総合戦闘力は向上しているとも考えられる。
跳ね上がった出力は、
圧倒的な攻撃力として放出するばかりか、
当然、反作用として跳ね返ってくる負荷を
捻じ伏せるための防御力、耐久性の向上にもあてられているため、
攻防両面において、難局を打開するための切り札となっている。
#7
イグナイトモジュールは、
高い出力や耐久強度を瞬間的に得られる反面、
その運用には暴走の危険性が付きまとうため、
装者の精神が壊されぬよう、三段階のセーフティが設けられている。
セーフティをリリースするごとに、
暴走のエネルギーをより純粋に戦闘転嫁できるものの、
使用制限時間(999カウント)は、
第一抜剣状態であるニグレドから段階を進めるごとに高速で消費されていくため、
その使いどころは、おのずと限定されてくる。
カウントが0になると、
たとえそこが戦場の只中であっても、
強制的にシンフォギアが解除されるシステムであるため、
状況によっては更なる危険に晒される事もありうる。
#12
キャロルとの戦いに決着をつけるべく、
響たちはセーフティを2段階連続解除し、
ニグレドフェイズよりも
出力と耐久力を増したアルベドフェイズのイグナイトモジュールにて挑む。
白い燐光を放ちながら激しく迫る響たちであったが、それすらもキャロルは一蹴。
さらにその上を行くフォニックゲインをもってしてシンフォギアを蹂躙する。
だが、待っていたのはこの瞬間であった。
アルベドフェイズのイグナイトモジュールをもってキャロルより、
更なるフォニックゲインを引き出した響たちは、
そのフォニックゲインを束ね、逆にキャロルへと撃ち込むことを試みる。
吹き荒れる膨大なフォニックゲインを、
融合症例でなくなった響ひとりで抑え込むのは、
翼が指摘するようにあまりにも危険であるが、
襲い掛かるであろう負荷を最終ルベト段階まで解放した
イグナイトモジュールの出力・耐久力で強引に捻じ伏せようというのが響の考えであった。
赤い燐光を身に纏い、真正面から激突する響たちであったが、
キャロルの放つフォニックゲインは、
最終ルベドフェイズのイグナイトモジュールであっても押さえられず、
土壇場で掴みかけた起死回生の策は失敗に終わってしまうのであった。